【調べてみた】県議と市議は何が違う?仕事・報酬・選挙を比較

選挙のポスター掲示板に並ぶ「県議会議員選挙」と「市議会議員選挙」。どちらも「議員」ですが、何がどう違うのか、はっきり説明できる方は少ないかもしれません。

ざっくり言えば、県議は三重県全体のこと、市議は自分の住む市のことを決める議員です。この記事では、その違いを「仕事」「選挙」「お金」の3つに分けて、三重県議会と津市議会の公式資料をもとに具体的な数字で比べてみます。

目次

違い① 仕事の範囲

県議も市議も、条例をつくる、予算を決める、行政の仕事をチェックするという役割は同じです。違うのは、その対象が「県の仕事」か「市の仕事」かという点です。

県と市の仕事の分け方は、地方自治法で決まっています。身近なことは市町村が担い、県は市町村をまたぐ広い範囲の仕事や、市町村だけでは難しい仕事を担当するのが基本です。

身近な例で比べると、次のような違いがあります。

  • 道路:県道は県、市道は市
  • 学校:県立高校は県、市立の小中学校は市
  • 警察:県(三重県警察)
  • ごみ・子育て・住民票など:市

つまり、「家の前の市道の補修」や「ごみの出し方」は市議、「県立高校の再編」や「県道のバイパス整備」は県議が議論する、というイメージです。困りごとを相談するときも、それが県の仕事か市の仕事かで、頼るべき議員が変わります。

違い② 選挙のしくみ

立候補・投票の条件は同じ

選挙に立候補できる年齢は、県議も市議も25歳以上です。投票できるのは、どちらも18歳以上の人で、県議選は県内の同じ市町村に、市議選はその市に、引き続き3か月以上住んでいることが条件です。

任期はどちらも4年です。

選挙区と人数が違う

  • 三重県議会:定数は48人。県内を15の選挙区に分けて選びます。たとえば津市選挙区と四日市市選挙区からはそれぞれ7人、松阪市選挙区と鈴鹿市選挙区からはそれぞれ4人が選ばれています(三重県議会)。
  • 津市議会:定数は30人です(津市議会)。

県議選は、人口の多い市でも数人しか選ばれない「狭き門」です。津市の場合、市議は30人いるのに対して、津市から選ばれる県議は7人だけです。

違い③ 報酬と政務活動費

お金の面では、大きな差があります。

議員報酬(月額)

県議の報酬は、県の特別職報酬等審議会の答申を受けて、令和8年4月から84万3,000円から86万5,000円に改定されました。月額で比べると、県議と津市議では30万円以上の差があります。このほかに、どちらも期末手当(ボーナス)が支給されます。

政務活動費(月額)

政務活動費は、議員が調査や研究、広報などの活動に使うためのお金です。報酬とは別に支給され、使い道もルールで決められています。

  • 三重県議会議員:議員本人に月18万円、さらに所属する会派(議員のグループ)に1人あたり月15万円。合わせると、1人あたり月33万円です。会派分を受け取るには会派の結成届が必要ですが、三重県議会では所属議員が1人だけの会派も届け出られています。現在の議員名簿では、全員がいずれかの会派に所属しています。
  • 津市議会議員:1人あたり月5万円で、会派に交付されます。

年間にすると、県議は1人あたり396万円、津市議は60万円です。

三重県議会では、政務活動費のすべての領収書の写しを公開しています。どんなことに使われているのか、県民が自分の目で確かめられるようになっています。

四日市・津・鈴鹿・松阪の市議の報酬を比べると

市議の報酬や政務活動費は、市によっても違います。県内で人口の多い四日市市・津市・鈴鹿市・松阪市の4市を比べてみました。

議員報酬(議員の月額)

  • 四日市市:60万7,000円
  • 津市:56万円
  • 松阪市:48万8,000円
  • 鈴鹿市:48万5,000円

いちばん高い四日市市といちばん低い鈴鹿市では、月額で12万2,000円の差があります。県議の86万5,000円と比べると、四日市市議でも25万円以上低い金額です。

松阪市は令和7年11月から、44万9,000円から48万8,000円に引き上げられ、人口では松阪市より多い鈴鹿市を、わずかに上回りました。鈴鹿市は、令和7年11月に開かれた市の特別職報酬等審議会で、議員報酬の月額は据え置きとする答申が出ています(鈴鹿市)。

政務活動費(議員1人あたりの月額)

  • 四日市市:7万円
  • 津市:5万円
  • 鈴鹿市:5万円
  • 松阪市:2万5,000円

政務活動費では、四日市市と松阪市で月4万5,000円、約3倍の差があります。県議の月33万円と比べると、市議の政務活動費は大きく抑えられていることがわかります。

まとめ

県議と市議の違いは、担当する範囲が「県全体」か「市」かという点です。身近な市道やごみ、小中学校は市議、県道や県立高校、警察などは県議が議論します。

立候補できる年齢や任期は同じですが、議員の人数や報酬、政務活動費には大きな差があります。選挙のときは、「この人は県の仕事をする人か、市の仕事をする人か」を意識して公約を見てみると、選びやすくなるかもしれません。

参考資料

  • 総務省「国・都道府県・市町村の役割分担のあり方について」
  • 総務省「なるほど!選挙 選挙権と被選挙権」
  • 三重県議会「選挙区別50音順」(令和7年11月18日現在)
  • 三重県議会「政務活動費」
  • 三重県議会「政務活動費ガイドライン(令和8年3月版)」
  • 三重県議会「資料2 議員報酬」(令和8年2月)
  • 津市議会「議会のしおり」(令和8年4月)
はなお
地域ブロガー
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