この記事は、国土交通省や各自治体の公式資料、実際の行政対応事例をもとに、「道路にはみ出す樹木」など、私たちの身近な道路の危険に行政がどう対応しているのかを、わかりやすくまとめたものです。
「道路にせり出した木の枝、誰がどうやって切るの?」「もし危険な場所を見つけたら?」そんな疑問にお答えします。
目次
そもそも、道路にはみ出す樹木はなぜ危険?
道路にせり出した樹木や枝は、見通しを悪くしたり、車や歩行者、自転車の通行を妨げたりするだけでなく、台風や大雪の際には倒木や落枝による事故のリスクも高まります。
特に夜間や雨の日は、思わぬ事故やケガにつながることも。
「ちょっとくらい大丈夫」と思われがちですが、実は大きな危険をはらんでいるのです。
行政はどう対応している?~安全対策のしくみ~
まずは所有者にお願い
道路にはみ出した樹木を見つけた場合、まずはその土地や樹木の所有者に対して「枝の剪定や伐採をお願いします」と行政(市町村や道路管理者)が連絡します。
危険が放置されたら、行政が動く!
もし所有者が対応しない、または所有者が不明な場合、行政は「措置命令」を出し、それでも危険が除去されなければ「行政代執行」といって、行政が直接枝を切ったり樹木を撤去したりします。
その費用は原則として所有者負担となります。
どんなものが対象?
- 道路にはみ出した樹木や枝
- 倒れそうな看板や工作物
- 崩れそうな土砂や石
など、道路の安全を脅かすものが対象です。
市町村での対応事例
事例1
- 内容:民有地から道路にはみ出した庭木や山林の樹木が、境界を越えて道路上に伸びている。
- 市町村の対応:事故防止の観点から市が所有者に剪定を要請。
- 緊急時(道路が通行止めになっている場合など):市町村がやむを得ず剪定等を実施。
- 公式情報:岐阜市は「倒木等により、道路通行に著しい支障がある緊急時は、やむを得ず緊急避難措置として市において剪定等処理をいたします」と明記しています。
事例2
- 内容:道路にはみ出した樹木がカーブミラーの視界を遮ったり、歩道が通れない、通行車両が損傷するなどの支障が発生。
- 市町村の対応:土地所有者に剪定を要請。
- 緊急時(通行者に危険が生じる場合など):市町村が断りなく剪定を実施することもある。
- 公式情報:多治見市は「道路管理上、危険があり、緊急を要する場合は、土地所有者に断りなく剪定を行うことがあります」としています。
【事例3:全国での台風後の対応】
台風などの災害後、各地の市町村で倒木や折れた枝が道路をふさいだ場合、所有者に連絡がつかないことも多いため、行政が緊急対応で撤去作業を行うケースも増えています。
まとめ
道路にはみ出す樹木は、日常の中で意外と大きな危険を生み出します。
行政は、所有者への連絡や命令、そして必要なら自ら除去作業を行うことで、私たちの安全な通行を守っています。もし「危ないな」と思う樹木を見つけたら、まずは市役所や道路管理者に相談してみてください。
あなたの一声が、地域の安全につながります!
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